1127 Rashomon in the desert

November 27, 2009, 9:14 am

Rashomon in the desert
砂漠の羅生門
Dubai or not Dubai — that is the question. Dubai’s sorta-kinda default (a state-owned enterprise seeking a rescheduling of its debts) is, by itself, not that big of a deal. But who else looks like Dubai? What kind of omen is this for the next stage in the financial crisis?
ドバイなのかドバイだけじゃないのか、それが問題だ(ハムレットの名台詞です。)ドバイのデフォルトみたいなもん(政府系株式会社が債務返済繰り延べを模索しているので)は、それ自体ではたいしたことではない。しかし、ドバイのような国は他にはないか?この種の予兆は、金融危機の次のステージなのか?


As far as I can tell, there are three ways to look at it — three stories, if you like, about what Dubai means.
私の知る限り、ドバイショックを解釈するには3つの見方がある。何ならドバイショックの意味するところの3つの証言を聞いてみよう。 黒澤監督の羅生門の映画での3人の証言とかけているそうです。僕は芥川龍之介の本しか読んだことがなくて理解できませんでした。さすがクルーグマンです。

First, there’s the view that this is the beginning of many sovereign defaults, and that we’re now seeing the end of the ability of governments to use deficit spending to fight the slump. That’s the view being suggested, if I understand correctly, by the Roubini people and in a softer version by Gillian Tett.
まず第1の証言として、これが多くのソブリン(独立国)系デフォルトの始まりであるということ。また、政府が不況を克服するために、赤字財政支出を利用することには限界があるということ。
私が正しく理解しているのであれば、この見方は、
ルービニ氏の支持者やファイナンシャルタイムズの記者ジリアン・テット氏により暗示されている。

Alternatively, you can see this as basically just another commercial real estate bust. Either you view Dubai World as nothing special, despite sovereign ownership, as Willem Buiter does; or you think of the emirate as a whole as, in effect, a highly leveraged CRE investor facing the same problems as many others in the same situation.
第2の証言は、これは、基本的には単なる商業不動産バブルの崩壊の1つと捉えることができる。ロンドンスクール教授ウィレム・ブイターが指摘するように、ドバイはソブリン系所有物にも係わらず、特に何も特別なものがない。 首長国を全体として見なすと、高いレバレッジを掛けたCRE(商業不動産)投資が同じ状況において同じ問題に直面していることが分かる。


Finally, you can see Dubai as sui generis. And really, there has been nothing else quite like it.
第3の証言は、ドバイは特別だという見方だ。実際は、そのようなことはないんだけど。

At the moment, I’m leaning to a combination of two and three. For what it’s worth (not much), US bond prices are up right now, suggesting that the Dubai thing hasn’t raised expectations of default.
今のところ、私は2つ、3つを複合して考えている。というのは、大切な点として米国債がすぐに急騰している。これは、ドバイは、デフォルトの可能性は低いということを指し示している。

Anyway, we continue to live in interesting times.
何だかんだ言っても、我々は興味深い時代を生きていることに変わりはないよ。

2 件のコメント:

  1. こんばんわ。コメントをいただきましたので、訪問させていただきました。で、ちょっと見てみまして、すこしばかり気になったところがありましたので、ちょっと書かせていただきますね。

    最初の段落ですが、"not that big of a deal" 「大きな量ではない」と訳されてますが、デフォールトがある場合、その単位は貨幣ですから、量よりは額の方がいいと思います。もしくはもっと単純に「たいした事ではない」とか訳したほうが"deal"の感じにあっているかと思いますよ。

    第2段落で、"three stories, if you like, "の訳を落としてられますね。そういう省略は私もよくおこないますが、この部分はタイトル中の「羅生門」と引っ掛けた部分ですから、さすがに訳しておいた方がいいと思います。クルーグマンの書く文に人気があるのはこの手のお遊びの要素もあると思いますから。

    第3段落。"sovereign defaults"を「ソブリン(国王)系デフォルト」と訳されてますが、ここでの"sovereign"の意味は独立国による、主権国家による、という意味のはずですから、「国王」はない方がいいと思いますよ(中東の王国というか首長国によるデフォールトですからそう書いてしまったのはわかるんですが)。

    ということで、このあたりにしておきます。がんばってくださいね。

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  2. okemosさんご指摘ありがとうございました。

    丁寧なご指摘で大変勉強になりました。
    そもそも、自分の場合は、黒澤監督の羅生門を観たことがないので、さっぱり趣旨が分かっておりませんでした。
    恥ずかしい限りです。

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